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-生き方を創造するBLOG-

【ご報告】 LINE株式会社に転職しました。

 ご報告が遅くなりましたが、私は5年半経営してきた一里舎合同会社を2016年5月一杯でクローズし、2016年6月1日からLINE株式会社に転職いたしました。

 ここではお世話になった皆様へのご報告・御礼と今回の決断に至った経緯を自分の備忘録として残しておきたいと思います。


既存事業のジレンマ感
 実はここ9ヶ月くらいは今まで行ってきたメディアアプリやカジュアルアプリ、受託開発を徐々にクローズしていきながら、新規事業を立ち上げるべく奔走しておりました。

 
 今の市況感では既存のスマートフォンアプリ事業をクローズして新規事業を立ち上げないと仮に会社が生き残れたとしても時間ばかりかかってしまいジリ貧になることが予想されたためです。
 
 今までは沢山のプロジェクトを小さく立ち上げていくスタイル(開発したアプリは数十本以上ありました)でしたので、どうしてもリソースが分散してしまい、自分的にも一つ一つの事業に集中しきれない歯がゆさがありました。
 
 同時期に起業された周りの会社が上場したり、バイアウトしたりとEXITをしていく中、当社は自己資金という背景もありましたが、自分が何も成し遂げられていないことに憤りを感じていました。

 「このままではせっかく起業した意味がない。」
 
 そう考えた僕は、既存事業を徐々にクローズさせながら、一からビジョンの再考、アイデア出し、ユーザーヒアリング、プロトタイプ作成、仲間集めなど行ってきました。
 
 途中から元マインドパレットの小林さんにもお手伝いいただき、彼の経験から色々と考え方を伝授してもらっていました。おそらくアイデアレベルであれば100案以上は出したと思います。そのうちこれなら自分が情熱を持てて、小さく立ち上げられそうなものをいくつか絞り、一つ一つ検討しては、ボツ。検討してはボツ。というサイクルを10回くらいはやった気がします。
 
 ・そもそものユーザー課題が不明確なもの
 ・スケールしないもの
 ・技術的なハードルが高いもの
 ・タイミング的に遅いもの
 ・アイデアは良くても自分がやる理由がないもの
 
 今まで出してきた数々のアイデアはだいたいこれらのどれかに当てはまってしまい、そのループを抜け出せませんでした。
 
一番の失敗要因
 個人的に一番の失敗要因だと思うのは、仲間を集められなかったことです。(共同創業者は今から丁度2年前に会社を離れていてそこからは僕一人でやってきました)
 
 実は2015年の9月頃から最初アイデアを固める前に、仲間を見つけることを優先する方針でfacebookから見つけたエンジニアの方、数百名くらいにダイレクトメッセージをお送りし、その中から運良く返答をいただけた数十名とお会いし、その中で自分がピンときた方に一緒にやってもらえないかと、いわゆる"ソーシャルナンパ"をしていました。(快くお会いいただいた方々、ありがとうございました)
 
 しかし、いきなり会った人から一緒に事業(その時はエンジニアのリソース枯渇問題を解決する事業を目指していました) をやってくれというオファーはハードルが高く、もちろん金銭面的にもまともな条件を出せるわけではないので、会っても会っても具体的な話につながることはありませんでした。
 
 ここまでで2〜3ヶ月くらい時間が過ぎていました。
 
 ここで人が集まらないのは、事業の具体性が足りないからではないかと思い始めました。(今思えばここで仲間探しを止めたのがよくなかったと思っています。)そこからは今まで人と会うために使っていた時間を事業アイデアを練るために使いました。
 
 また元々考えていたエンジニアのリソース枯渇問題は課題としては大きいものの根本解決が難しく、かつプレイヤーも多い為、ここで事業を展開するのは消耗戦になると思ったので、また一から考え直しました。
 
ワクワクする事業の定義が固まる
 事業の方向性がブレブレになりながらも何となく自分でワクワクする事業の定義ができてきました。
 
  それは"今後の日本にとって本当に必要な事業"でした。
 
  例えば、こういう考え方です。
 
 ・人材ビジネス
→今後の日本が成長するには新たな事業機会の創出が必要となる。そのために特にスタートアップ企業に優秀な人材が流れるエコシステムを構築する必要がある。
 
 ・訪日外国人向けビジネス
少子高齢化に伴う、日本の経済衰退を補うためには、短期的移民=訪日外国人旅行客を呼び寄せる必要がある。
 
 ・出会い系ビジネス
少子高齢化を抑えるためには結婚率を高める必要があり、結婚率を高めるためにはまず出会いが必要だ。
 
 起業した頃はとにかく食べなければいけないので、自分がやりたいかどうかよりもお金になりそうなもの中心にとにかく全力を尽くしてきました。
 
 そして周りの人に助けられて、何とか5年半会社をやってこれたわけですが、元々自分が心からワクワクしている事業ではないために、どこかで限界や飽きが来てしまいます。まただんだん余裕が出てくるとこのままの会社で良いのか?という懸念に常に襲われていました。
 
 必要な事業=市場の将来性も見込める事業と思っていたのですが、どれも普通に攻めただけでは競合も多い為、新しい戦略を考えなければいけないのですが、ヒト・モノ・カネ、どれもほぼ皆無に近い状況での新規事業は、起業した2010年頃(スマフォ急成長期 )よりも、 かなりハードルが高く感じました。
 
事業が立ち上がらないストレス
 ここまでで新規事業を立ち上げると決めてから4〜5ヶ月が経っていました。
 
 予定ではとっくにプロトタイプを作り終えて本開発に入っていなければならないのに。
 
 こうなると僕はドンドン焦っていきました。会社を立ち上げてから丸4年間、基本黒字の増収増益で回してきた僕としては、会社の売上がドンドン落ちていくのが恐くてたまりませんでした。
 
 そして年が明けた2016年1月には遂に単月赤字を迎えました。
 
 確かこの頃、体に帯状疱疹のようなものが発生し、ストレスもどんどん強まっているのを感じていました。その頃の僕はあまり外出をせずに引きこもって自宅で本を読んだり、PCと向き合うことが多くなっていました。
 
 元々人と会いながら情報交換をして、サービスを作っていくのが好きだったのに、なぜか世界を閉ざしてしまっていた自分がいました。事業が全然進捗していないことに対する後ろめたさもあったのだと思います。
 
  「自分はこんなものなのか? 」
 
 このままではまずいのは明らかだったので、まずはとにかく外に出て人に会おうと思い、昔から仕事でお世話になっていたアイリッジ社COOの黒瀬さんに事業相談を持ちかけたり、スタートアップを志す人が集まるミートアップに参加したり、SocialDesignSalonという意識が高い方が集まるサロンに参加したり、Yentaというビジネス出会い系アプリで毎日新しい人と会ったり、大前研一さんで有名なアタッカーズビジネススクールに通うことを決めたりしました。
 
遂に立ち上げの可能性を感じる
 その流れの中で一つ、これはもしかしたらまだチャンスがあるかもと当時思えたアイデアが浮かびました。それは在宅の通訳者を活用した訪日外国人向けの多言語対応が求められる事業者向けのオンライン通訳サービスでした。
 
 すでに数年前から主にコールセンターを構えた電話の通訳サービスはありましたが、調べてみるとどこの会社も高額で1分/300円(時給換算18000円)というが大体の相場でした。
 
 これは在宅通訳者の労働力を活用できれば初期コストも待機コストも抑えられるので、価格優位性だけで立ち上げられるのでは?と考えました。また、おそらく大きい企業はセキュリティ面やクオリティ面など考慮して、在宅の通訳者は起用しづらい構造になっているのでは?という仮説もありました。
 
 僕は早速クラウドソーシング系のサービスを使って、約100名ほどの通訳者さんを集めてそれぞれの条件を確認し、単価を既存サービスの3分の1まで下げても粗利益が50%上げられる計算ができました。
 
 通訳は通常、現場に派遣されて実施する仕事なので、特に小さいお子様がいらっしゃる方や海外にいらっしゃる方は通訳の仕事がやりたくても中々難しい事情がありましたので、このサービスにかなり協力的でした。
 
 これはいけるかもと思った僕は早々にペライチという無料サイト制作ツールで告知サイトを作り、訪日外国人の言語対応に困っていそうな企業にひたすらアプローチをとりました。
 
 しかし何社連絡を送っても中々反応がない日が続き、ある日ふと参加した訪日外国人向けサービスのハッカソンで通訳サービスを提供している会社の役員の方とお話をする機会があったので、自分のアイデアをぶつけてみたところ、実は表立って公表はしていないがうちも在宅通訳者を活用は進めているし、すでに展開している会社も結構沢山あるという話でした。
 
 価格も僕が調査した価格よりもかなり安く、この状況で参入したところで、クライアント側としては引きが弱いのは当たり前でした。
 
 またもやボツでした。また一からアイデアを考えて検証しなければなりません。こうなってくると、いよいよ僕は疲弊していきます。
 
 この間、色々な人と出会っていたので、これから一緒に起業を検討できそうな方も何人かいたのですが、僕はその選択肢は選びませんでした。2年前、共同創業者が離れたことでかなりの痛手を負ったので、パートナー選びに必要以上に慎重になっていたのかもしれません。
 
転職の決断をする
 どんどん思考が停止していき、いよいよ行き詰まっていきました。ここまでで6か月以上の時間が過ぎていました。
 
 そして、いよいよ僕は決断をすることになります。
 
 「自分の会社(オーナー)にこだわっていては人・モノ・カネ全てを自分で集めなくてはならず、今戦略がない状況では立上げにとても時間がかかる。いっそのこと他の会社に移って事業をやったほうが"今後の日本にとって本当に必要な事業”ができるのでは?」
 
 そう考えた僕は早速ネット人材バンクという転職エージェントさんに連絡を入れました。担当してくれたネット人材バンク清水さんはまだ転職を検討していなかった頃に少し話をしたことがあり、信頼できそうな方だったので、今までの経緯や考えていることを正直に話しました。
 
 正直、最初は、会社を諦めるようで他人に話すのは恥ずかしい気持ちが強かったのですが、清水さんから今の僕の経験があれば面白いフェーズの会社で事業が作れる仕事を紹介できるし、最終的に転職という選択にならなくても今色々な会社を面接という形で見てみるのはプラスになるのではないかという提案をいただき、まずは面談を進めていく決断をします。
 
 面談では本当に素晴らしいと思える会社の方に沢山出会うことができました。普段なかなかお会いすることができない方や社長と話をしているとビジョンや事業戦略の描き方がとても勉強になり、何よりワクワクしました。一方で数ヶ月前に仲間探しに苦難した身としては自分と彼らの差も感じてしまいました。
 
 たくさんの会社と面談をしていく中で自分がやりたいことや得意なこと、苦手なことが少しづつ明確にできたこともプラスに働きました。再度自分の強みを認識できるとともに、今までの自分の経験をこの素晴らしい会社の中で発揮することにドンドン興味が移っていく自分がいました。
 
 最期まで自分の会社を諦めることに大分葛藤もありましたが、長い人生まだまだチャレンジする機会はあるし、ここで環境を変えて、優秀な人と一緒に大きな事業を作る経験はこの先マイナスにはならないと判断し、最終的に転職を決断しました。
 
 LINE株式会社へ入社を決める
 そこで僕が転職先として決めたのが、LINE株式会社でした。
 
  ちょうどこの記事を書いた前日に上場承認が降りたので、その辺りの詳細についてはコメントできませんが、僕は今この日本で世界に挑戦できる随一の会社だと思っています。
 
 勝ち馬に乗っただけでは?と思われる方々も少なくないかと思いますが、僕はまだまだ大きくできる余地はあると思っていますし、自分がその一端を担えることに今はとてもワクワクしています。
 
 担当領域としては、3月の"LINE CONFERENCE TOKYO 2016"で開示されたビジネスプラットフォームの事業開発です。

 この部署では企業とユーザーの距離を縮めるべく、OfficialWebAppというプロダクトを筆頭に、いわゆるO2O、BOTなど企業の新たなマーケティング活動を推進するプラットフォーム作りをたくさんの会社とアライアンスを組みながら行っています。
 
 6/1入社ですので、まだまだこれからですが、既にとてもワクワクする事業検討を進めています。
 
 LINEは日本ではNo1のチャットアプリですが、世界で見たら7番目のチャレンジャーです。韓国資本の会社じゃないかという話もありますが、会社の中の人は日本人だとか韓国人だという目では見ていません。日本ではまだ珍しいグローバルカンパニーとして、機能してきている会社です。
 
 人によっては折角起業したのにもったいないとか、もう少し考えたほうが良いと言ってくださった方もいましたが、今の自分としてはベストな意思決定をできたと思っています。
 
 まだ入社したばかりですので、この先どうなるかは分かりませんが、僕はLINE社で世界中の人々にインパクトを与えられる事業家としての経験を積みたいと考えています。
 
  最後になりますが、今まで会社立ち上げから、ずっと支えてくださった方々には感謝の気持ちが絶えません。本当にありがとうございました。
 
 特にシェアオフィスBOATを長い間、無償で貸していただき、事業アドバイスやさらに一緒に事業まで経験させていただいたVoyageGroupの青柳さんには大変感謝しております。
 
 本来たくさんの方々にお礼を言わなければいけませんが、このブログにて深く御礼申し上げます。
 
 長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
 

アプリばかり作ってきた私がIoTをビジネスにする方法を学んだ話

この5年間、スマートフォンのアプリばかり作ってきた私が最近考えていること。

 

それは、小資本のベンチャー企業がアプリ(特にBtoC)だけでビジネスを組み立てられるバブル時代は終わったということ。(この業界に身を置いている方であれば少なからず共通認識はお持ちかと思います)

 

 

アプリやWEBだけで事業を考えようとすると、すでに同じようなアイデアがAppstoreに存在していたり、WEBサービスググるとだいたい存在していることが

ほとんどで、基本的にはそれら先行者との差別化を図ることが非常に困難になります。

 

 

当然ですが、アプリ・WEB完結型サービスはアイデアとプログラムさえできれば、比較的参入が容易にできるため、すぐにレッドオーシャン化してしまいます。

 

 

一つヒットアプリがでるとすぐに模倣アプリが量産され、収益がすぐに落ちてしまいます。かつユーザーさんがアプリに飽きるタイミングもより早くなっていてLTV(顧客生涯価値)もかなり下がってきているという体感もあります。

 

 

つまりビジネスのストック化が非常に難しくなっているということです。

 

 

そんな変化の激しいアプリ業界に身を置いている私が新しい事業を構築しようと日々模索している中で、バズワードの一つとして上がってくるのがこれ。

 

 

『IoT( Internet of Things)』です。

  

 

だけど、いつも『IoT』と聞いて思うこと。

 

 

「IoTってどう儲けるの?」という話。

 

  

モノを作って、その販売利益で儲ける?

 

 

・・・

 

 

それって厳しくない?

 

 

ビジネス的な拡大って見込めるの?

 

 

投資リスクばかりに目が行き、先の展開が見えていない感じ。

これではアイデアが思いついても、投資しようとはならない。

 

 

そんな狭い了見しか持ち合わせていなかった私がとある勉強会に行き、『IoT』のビジネスモデルを学んだ話です。

 

 

これは『IoT』に限らず、昨今のビジネスモデル全般で活かせる考え方かと思います。

 

 

まず『IoT』でビジネスをやろうとすると、みんなこう考えると思います。

 

 例えば、

 

「耳栓型の体温計を開発して、それをネットに接続、健康状態をスマホアプリで管理できるようにしたら便利ではないか。それを既存の体温計より価格を上げて売ってみたらどうか。」

 

 

仮にこの考え方で、プロダクトイノベーションが生まれ爆発的なヒット作が誕生したとしましょう。

 

 

プロダクトイノベーションのみでプロダクトはヒットした当初はそれなりに売れたとしても、すぐに他社がこぞって資本を投入し、模造品を作り参入を図ります。

 

 

そうすると単純にモノ自体の差別化しかないため、すぐに値下げ競争が発生し、コモディティ化、あっという間に本家の売り上げも下がり、場合によっては2番手、3番手がクオリティを上げてきた場合、追い越されてしまうという現象が発生します。

 

 

これでは継続的にビジネスを行うことがしづらくなりますよね。

 

 

これがまず第一の壁となります。

 

 

そこで急務となるのが、ビジネスモデルの構築です。

 

 

例えば、顧客のスイッチングコストを高める施策を打ったり、データを販売するなどといったことを展開していくことです。

 

  

では具体的にどうするのか?

 

 

『IoT』を継続的ビジネスに昇華させるための一つの考え方をフェーズ①〜⑥までまとめてみました。

 

 

フェーズ①ワンタイム課金

センサー内蔵のプロダクト・または多目的型センサーをワンタイム課金(売り切り)で販売する。

 

 

フェーズ②サービスフリーミアム

センサーを通じた無料及びプレミアムのサービスを提供する

 

 

フェーズ③サービスインストールベース

物理的プロダクトは無料または安価で、センサーを通じたサービスで利益を得る(ジレットモデル)

 

 

フェーズ④パッケージ化されたデータ販売

センサーを通じた収集された価値のあるデータまたはノウハウを販売する

 

 

フェーズ⑤収益シェア/パフォーマンスベース

利用者のプロセスまたはリソースの最適化によって得られた利益または削減できたコストの一部を得る

 

 

フェーズ⑥マルチサイドエコシステム

性格の異なる複数の顧客からの多様な収益の流れによって利益を得る

 

  

これらを具体例にして考えてみます。

 

 

フェーズ①:スマート体温計の販売→既存の体温計にネット接続機能を付加。

 

 

フェーズ②:ユーザーデータを収集することで、ユーザーがどういう状態の時に何をすべきか自動で医者の代わりに教えてくれるサービスを提供。

 

 

フェーズ③:体温計を無料または安価で配り、プログラムに参加している人々のデータを貯める。コミュニティ(学校など)単位で健康状態が可視化される。個人がそれらのデータを参照し、判断要素を得ることができる。データを公的機関に販売するなど。

 

実はフェーズ3までがスマート体温計Kinsa Smart Thermometerが実際に展開してきた事例です。

 

 

ここからは想像の世界です。

 

 

フェーズ④:より広範囲にわたるエコシステムの生成。エリア毎の健康状態の可視化。ex.横浜で子供がインフルエンザ発生→東京で働く親がインフルエンザ予備軍であることがわかりアラートを上げられる。

 

 

フェーズ⑤:収集されたデータをもとに、病気を患う予備軍を事前に検知、従業員の健康維持に貢献した分の収益を得る。

 

 

フェーズ⑥:これまで得られた知見・ノウハウ・技術を他社に販売。

ex.テスラがバッテリー技術を他社に販売する。

 

 

いかがでしょうか。

 

 

ただプロダクトイノベーションのみを考えるのではなく、その先にあるビジネスモデルイノベーションを戦略として描いていくと、『IoT』を継続的ビジネスとして考えていく可能性が広がってくる気がします。

 

 

「取引コストの削減」が『IoT』が注目される理由でありテーマです。

 

 

下記のように注目されている 『IoT』も全て「取引コストの削減」をしてくれるサービスという共通点がありますね。

 

 

トイレで健康診断データをクラウドに載せて自動で健康診断できるヘルスモニタリングサービス

jp.techcrunch.com

 

 人同士が会わずに鍵をシェアできるスマートロック

qrio.me

  

人工知能搭載のサーモスタットと火災報知機

nest.com

 

  

これらの『IoT』も単なる使い勝手の勝負からビジネスモデルの勝負へ考え方をシフトしていかないと継続的な成長は見込めないでしょう。

 

 

最後になりますが、ここに記載したことは、この勉強会で学んだことです。

 

iotrial.com

 

 もし私のように『IoT』について知見を深めておきたいという方をチェックしてみると良いかもしれません。

ITベンチャー創業後3年5ヶ月を経て想う3つのこと

はてなブログに移行して初めてのブログになります。どうもはじめまして、一里舎代表の藤原と申します。

 

今までブログを書く機会は1年に1回程度だったのですが、タイミングもそろそろかと思い、書いてみることにしました。

 

2010年11月26日に会社を創業して、ちょうど今日で丸3年5ヶ月立ちました。事業内容は専らスマートフォンアプリの企画開発を行ってきまして、数えてませんが開発してきたアプリは40本以上くらいかと思います。

 

ご紹介できるアプリとしては、『ゲームタイムズ』というゲームメディア専門のキュレーションサービスや『脱出ゲームS203オービットエクソダス』、他には協業モデルでイグニスさんとだーぱんシリーズのゲームなどを開発してきました。

 

今、会社のメンバーは4.2人くらいなります。(0.2人は週末だけお手伝いしていただいている方の分です)。私、共同代表のエンジニア、デザイナー(兼ディレクター)、3Dデザイナー、サーバーエンジニアという構成です。

 

当社は完全自己資本でやっておりまして、特に借金などもしていないので、自分たちで稼いだ分を事業投資や採用に回すというサイクルでやっております。

正直、爆速でやっておられる他のベンチャーさんと比較すると、事業拡大のスピードはそこまで早くないかと思いますが、今無理に拡大だけしてもどうかな?と思う部分もあるので、一旦は自分たちの事業推進の力をつけながらまずは実績作りに日々勤しんでおります。(拡大したくないという意味ではありません!)

 

会社の紹介はこのあたりにして、会社創業3年5ヶ月後にようやくブログを書く気になったので、今ここまで走ってきた想ったことを書き連ねておこうと思います。

 

1.運転資金のことはなんとかなる(何とかなった)

創業前に一番不安だった資金面については、色んなステークホルダー様のお陰もありまして、丸3年も経つとスマフォアプリマーケットオンリーでも、ある程度は何とかなるのだということがわかりました。これを達成するには少なくとも会社のメンバー一人一人がある意味一人でやってもやっていけるレベルまで持っていく必要があると思います。(大手のサラリーマン出身の人は意外と最初難しいかも)

またこれは社員が食っていけるというレベルで、そこそこの事業投資を行うにしては足りなすぎるくらいの額です。

 

2.少数で色々やるなら非運用型で

最初の頃はとにかく色んなジャンルのアプリを数たくさん作って、その中で芽が出てきた事業を伸ばしていこうというスタイルでした。実績も経験も少なかった今までは模索するという意味でそれでもよかったかもしれませんが、今としてはそのやり方は少しシフトしていく必要があると考えています。ある程度いけそうなジャンルを見つけたら、あとはそこで実績を作る(やり切る)フェーズが今だと思っています。今までは一発屋でもある程度うまくいっていましたが、これだけマーケットが大きくなってくると、それでは勝負にならないので、バズワードになっているグロースハックやAARRRなどの概念をいち早く掴んだものが次の勝者になると考えています。

 

そして、当たり前の話ですが、数打つならできるだけ日々のルーチン運用の工数ができるだけ少ない非運用型を推奨します。(当社ではそれを考えずに数作ってしまい、早々にクローズした案件もありました。。)

 

3.やっぱり掛け算式の事業作りは難しい

これはまさに今私の課題だと考えているのですが、

一人一人の能力を足し合わせる事業はできても、掛け合わせる事業作りは本当に難しいと思っております。

特に我々のように複数の事業をそれぞれのメンバーが回しているような構造の組織の場合、社員同士のコミュニケーションも十分とれているわけではないので、それぞれの思考やノウハウを共有できる場も少なく、結果組織としてバラついてしまうこともあります。

この原因は会社としての戦略やビジョンなど欠如以外の何者でもないと思っていますが、とってつけたようなビジョンを作るくらいならないほうが良いという方針でやってきたので、諸先輩型もしよろしければアドバイスいただけますと幸いです。

ちなみに当社は全員がリモートワーク型スタイル(それぞれが自宅やコワーキングスペースなど別々の場所で働くスタイル)で仕事をしています、このあたりについて考える事はまた次回以降ブログに書きたいと思います。

 

 

折角書くなら5つくらい書こうと思いましたが、最初から意気込み過ぎても続かないので、初回はこんな感じで終わろうと思います。

 

最後に蛇足ですが、現在創業企業の廃業率は、概ね3年以内70%と言われているようですが、これITに限るとどれくらいなのでしょうね?意外と結構生き残っていると思うのですが。

 

お忙しいところ、ご拝読ありがとうございました。 

 

一里舎 藤原